高校生が飲料缶サイズの模擬人工衛星を打ち上げる技術力、分析力を競う缶サット甲子園が8月17日から3日間、秋田市で開かれ、和歌山県立桐蔭高校科学部2年生3人でつくるチームが準優勝した。3年連続の2位に、有田駿介部長は「2010年以来の優勝しか考えていませんでした。悔しいですが、やりきった感はあります」と笑顔を浮かべる。
缶サットは、各校が独自のミッション(任務)を設定し、模擬人工衛星を使って、実現性、正確性などを競う。桐蔭は、加速度センサーが検出した数値を元に、「重力の影響を受けない純粋な加速度を出そう」と、「純アクセル(加速度)を求める」をミッションとして取り組んだ。
本番は、打ち上げ、データ取得、着地までミスなく終えたが、審査員から「加速度算出時の理論的根拠が明確でない」と指摘を受けた。それでも、データ取得、分析力の高さが評価されて準優勝。全体の管理力が認められ、ベストマネジメント賞も受賞した。
プログラムを担当した加納大成さんは「十分準備し、かなり自信はあったのに…」と肩を落とす一方、データ解析を担った西本凜さんは「理論的根拠の指摘に納得しました」とスッキリした顔を見せた。
顧問の藤木郁久教諭は「大学生でもかなり高度なミッション。高校生にできることはすべてやれていました」とたたえた。
写真=缶サットを点検する部員たち
(ニュース和歌山2016年9月3日号掲載)