根来山観月会 辻本元之さん披露
中秋の名月に合わせ、岩出市根来のげんきの森で2002年から開かれている観月会。月明かりに照らされたステージで、これまでは琴や二胡、ギターなど音楽ライブが繰り広げられてきたが、9月17日(土)開催の今年は根来在住の舞踊家、辻本元之さん(47)がフラメンコを披露する。「和洋の衣装を身に付け、満月にあった振り付けを考えています」。情熱的なカンテ(歌)に合わせ、ステップを刻む。
広川町出身の辻本さんは2000年、フラメンコの写真を撮ろうと志摩スペイン村を訪れた。「それまでは女性がバラをくわえて舞うイメージでしたが、登場したのはスペイン人男性で、見たことのないスピードでステップを踏んでいた。見入ってしまい、気がつくと一度もシャッターを切っていませんでした」
抑えきれない感動から、すぐにフラメンコ教室へ。趣味として始めた後、講師となり、06年に独立、和歌山市八番丁にカルマ・リャマフラメンコスタジオを設立した。指導のかたわら、ここ数年はイベントなどに年間15〜20回出演。故郷の広川町で開かれる「稲むらの火祭り」では14年から、濱口梧陵役で創作フラメンコを披露している。
自宅に近いげんきの森はトレーニングのため、よく走っているほか、「生徒を連れて、マイナスイオンを浴びながら、散歩することもあります」。観月会では生徒たちによる舞踊団が5曲程度踊った後、トリで辻本さんが登場する。「げんきの森によく来られている人にフラメンコの魅力に触れてもらい、また逆にこれまでげんきの森に行ったことがない人が森について知る機会にもなれば」と願う。
根来山観月会は午後7時開演。無料。申し込み不要。雨天中止。げんきの森管理棟(0736・61・7233)。一方、稲むらの火祭りは10月15日(土)開催で、午後6時40分から広八幡神社で舞を奉納する。
(ニュース和歌山2016年9月10日号掲載)