朝夕が日ごとに涼しくなってきましたね。秋は台風の季節で、時化(しけ)て海に近づけない日も多くなります。今回は川のお話です。
紀伊半島南部を流れる清流、古座川は、透明度が高く、流れも穏やかなとても美しい川です。その上流には国の特別天然記念物、オオサンショウウオが生息しています。オオサンショウウオは、50㌢~1.5㍍にもなる世界最大の両生類です。夜行性のため、日中は岩陰に隠れていることが多いのですが、ほんの一部しか隠れておらず、頭やお尻がまるごと出てしまっていることがたまにあります。
そんな愛嬌(あいきょう)のあるオオサンショウウオの恋の季節は9月ごろ。1回の産卵で500~1000個の卵を産み、オスが巣穴で卵を守っています。
写真=岩陰に隠れた(つもり)のオオサンショウウオ(右下が顔)
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写真家 塩崎仁美…東大阪市出身。和歌山県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。
(ニュース和歌山2016年9月28日号掲載)