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 人生の終え方を準備する"終活"の相談を無料で受ける「あしたの窓口」が8月、和歌山市広道にオープンした。葬式、相続、介護、保険と総合的に対応する相談所は県内初で、スタッフの福島厚(こう)さんは「葬式や介護について自ら進んで考える人は少ないですが、いざという時が訪れると急に決めなければならなくなる。自分のことは自分で決め、納得できる最期が迎えられるよう支えたい」と語る。

 運営は家族葬の式場を和歌山市と大阪計5ヵ所に設ける和歌山市和歌浦東のアスタサービス。近年、葬儀に関する事前相談が増え、この中で、相続や介護への悩みも抱える人が多かったため、「1ヵ所で複数の相談にこたえられる場を」と窓口を開設した。

 葬儀の規模や形式、式場の選び方、遺言、相続に詳しい終活カウンセラーや、ケアマネジャーが常駐。利用できる施設やサービス、制度を紹介し、必要に応じて専門家や施設につなげる。遺品整理、永代供養などの相談も受け、介護施設や寺の資料を提供する。

 福島さんは「核家族化が進み、都会で暮らす子どもが葬儀の後、地元に残した片方の親の介護を心配したり、少子化で直系の子がおらず、親戚が喪主を務めたりと、時代の変化と共に、終活の必要性が高まっています。そういった人たちの不安が和らげば」と望む。

 午前10時~午後5時半。土日休み。同相談所(0800・777・9082)。

(ニュース和歌山2016年9月28日号掲載)