和歌の浦の秋を彩る「万葉薪能」が10月9日(日)午後4時20分、和歌山市和歌浦南の片男波公園野外ステージで開かれる。和歌の浦万葉薪能の会主催。
18回目の今回は観世流の『恋重荷(こいのおもに)』(写真)を上演する。白河院の庭で、菊の世話をする山科の荘司という老人が天皇に仕える女御(にょうご)に恋心を抱く。女御は老人に、ある荷物を持って庭を百度、千度と回ると姿を見せると約束するが、老人に荷物は重すぎて死んでしまう。その後、庭に老人の亡霊が現れ…。恋をした老人の悲哀を、重要無形文化財保持者の片山九郎右衛門、橋本忠樹、江崎欽次朗らが演じる。
狂言は大蔵流『萩大名』。遠国の大名が萩の美しい庭園を訪ねる。風流者の庭の主は客に即興の和歌を求めるのを知っていた太郎冠者は、あらかじめ大名に和歌を教える。いざ歌を求められると、大名は歌が出てこずに右往左往。茂山千作、逸平がユーモアたっぷりに演じる。
仕舞は小林慶三さんの『井筒』。能ワークショップの発表会もある。3000円、学生1000円で、当日は各500円増。県民文化会館、和歌山市民会館ほかで販売。同会(073・444・2492)。
(2016年9月24日号掲載)