和歌山市六十谷の有功東小学校5年生43人が6日、昨年廃校になった紀美野町鎌滝の上神野小学校で草木染めに挑戦した。1泊2日の民泊体験の一環。光組の中井花音(かのん)さんは「自然な色が出て、きれいにできた。山や川、竹がたくさんある場所だったので楽しかったです」と喜んでいた。

 普段生活する場から離れ、自然に囲まれた地域で地元の人とふれあい、豊かな心を育てようと昨年始めた民泊。同町の住民を講師に迎え、流しうどんや木に模様を焼き付けるウッドバーニングなどを体験し、夜は10班に分かれて住民の家に泊まり、親ぼくを深めた。

 6日は染色家の舟山れいらさんから柿の汁を2016101503_isao使った草木染めを学んだ。初めに、県産の若い柿をしぼって染料作りを体験。この後、たらいに熟成させた甘柿と渋柿の汁、麻のショールを入れ、20分ほどもみこむと、ピンクがかったオレンジ色になった。光組の福原志歩さんは「液は冷たくて柿の甘い香りがした。少しずつ色が付くのがおもしろかった」と目を輝かせた。

 最後に舟山さんは「通常は渋柿の汁を使うので、甘柿で染めるのは世界でも珍しい。和歌山の柿は青い時も仕事することを大人になっても思い出してください」と優しく呼びかけた。

 貴志雅代校長は「草花の恵みを肌で感じることで、自分たちの生活は自然の物で成り立っていることに気づき、周りに思いやりをもてる人になってほしい」と話していた。

写真=舟山さん(左)の指導で染めた

(ニュース和歌山2016年10月15日掲載)