〝山里の貴婦人〟とも呼ばれる希少なユリ科の植物、キイジョウロウホトトギスが岩出市東坂本の和歌山県植物公園緑花センターで濃い黄色の上品な花を咲かせている。
漢字で「紀伊上臈杜鵑草」と表記される通り、紀伊半島に特有の植物で、県南部に分布する。しかし、近年は乱獲で絶滅が心配されており、県のレッドデータブックでは絶滅危ぐⅡ類に指定されている。
同センターは、すさみ町のキイジョウロウホトトギス生産組合から100株を2013年に譲り受けた。自然の中では湿気のある日陰の岸壁から垂れ下がるようにくきを伸ばすことから、これに近い環境で育てようと、温室前の斜面であまり日の当たらないところに植えている。
今年は約50株が開花。10月下旬まで楽しめそうだが、見ごろは今週末の見込みだ。
写真=黄色い花が目を引くキイジョウロウホトトギス
(ニュース和歌山2016年10月15日号掲載)