怖さ1 山の妖怪 出没地域:有田川町
奥深い山道を歩いていると、突然、どこからともなく、「バサッ!」と乾いた砂が飛んで来て、枯れ葉の上に落ちるような音がしたり、実際にその砂が顔にかかったりすることがある。それが、妖怪「スナホリ」の仕業なのだという。スナホリとは砂を放るという意味。似た妖怪に「砂かけ婆」がいるが、どちらもその姿を見た者はいないところから同じ妖怪なのかもしれない。砂は放るが、それ以外には何もせず、イタズラ好きの妖怪なのだろう。一説には、水浴びをしたタヌキが木に登り、体についた砂を体を震わせて飛ばすのだとも言われている。
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妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、しの世界にいます。
(2016年11月5日号掲載)