全国で高齢ドライバーによる交通事故が相次いで発生する中、高齢者が加害者になるのを防ぐための安全運転講習が6日、海南市且来のドライビングスクールかいなんで行われた。県海草振興局と海南警察署、老人クラブなどが実施。同局総務県民課の神田伸二課長は「ドライバーだけの問題でなく、地域ぐるみ、家族ぐるみで取り組み、高齢者の事故を防ぎたい」と話している。
同市老人クラブ連合会会員18人が受講。午前中に警察署員が管内での事故の傾向と加害者になった時のつらさを説明した。この後、視力検査と運転の適性検査、コースでの実技運転を行った。午後は結果をもとに夜間運転時の注意点や、信号や標識の確認の徹底などを付き添いの家族を交えて、警官らが個別にアドバイスした。
同連合会の下津喜久男会長は「癖や注意しなければいけない点が分かり、自分の運転を客観視する良い機会になった。会員内で広く受講を勧めます」と喜んでいた。
同署管内では今年、11月末までで100件の人身事故があり、65歳以上のドライバーによる事故は18件発生。加藤賢治交通課長は「今回の講習ではすぐに免許の自主返納を促す対象者はいなかった。年齢とともに動体視力や夜間視力が低下するので、少しでも見づらいと自覚している人は夜間の運転を控え、速度を落とすなど心がけてほしい」と呼びかけている。
写真=パソコン画面で運転を体験し適性を検査した
(ニュース和歌山2016年12月14日号掲載)