潮 騒
和歌山と三重の間に続く、熊野灘。那智黒と言われる丸く黒く美しい小石が多く、波濤が満ちる波音は他では聞けない自然の音楽である。
日本芸術院会員 清水達三
迎 春
あけましておめでとうございます。
今、和歌山市のまちなかが変わる動きが加速しています。大学新設と和歌山市民会館移転の計画、南海和歌山市駅ビル建て替えと市民の注目も高まっています。
「まちづくりは住民が地域に愛着を持ってこそ」と専門家が話していました。現在の変化は、私たちが故郷に抱く愛着の内容を変え、世代的な断層を生むと思われます。
「故郷は土地ではなく、人が忘れたくないと胸に刻み込んだものである」と言ったのは徳富蘇峰です。私たちが故郷として愛着を寄せる場所は、実はとても個人的で人それぞれです。しかし、和歌山なら和歌山という枠組で、語り合える場があればどうでしょう。そこで思いが交わされ、響き合えば、郷土への愛は時を超えて現れます。
ニュース和歌山は1月21日号で5000号を数えます。時代の変化に沿いつつも、このまちの表情、話題、人の息吹を伝えない号はありませんでした。ここに暮らす人、後にした人にとっても和歌山を愛すべき故郷とする〝場〟であると自負しています。今年も和歌山をより新鮮に、より豊かに伝え、その発展を担いたいです。
本年も変わらずのご愛読を頂けますようよろしくお願いいたします。
2017年元旦 ニュース和歌山株式会社