ニュース和歌山毎週土曜号で連載中の「マエオカテツヤの妖怪大図鑑」。これまで和歌山県内に伝わる47の妖怪を紹介してきました。新春特別版の今回は今年の干支・酉にちなみ、鳥に関連した妖怪2つです。
其の四十八 金鶏
全身が黄金に輝く鶏で、毎年、元日の朝に時を告げる。その鳴き声を聞いた人は幸せになるという。縁起の良い妖怪で、金鶏の止まった木の下には、宝物が埋まっているとも言われている。他県では、山や塚に金鶏が埋められており、時折鳴くことがある。その声を聞くと幸せになるという話や、落城する際、金鶏を井戸に投げ入れて落ちのびたが、井戸から金鶏の鳴き声が毎夜のように聞こえてくるという話も残っている。
其の四十九 八咫烏
三本足のカラスとして知られる、熊野のシンボル的な存在。日本神話では神武天皇を大和の橿原まで案内したことから、導きの神とされる。熊野三山でカラスは神の使いとされ、熊野大神に仕える。三本の足が意味するのは、天・地・人。神(=天)と自然(=地)、人が同じ太陽から生まれたことを表す。日本サッカー協会のシンボルマークや、Jリーグ入りを目指すアルテリーヴォ和歌山のエンブレムにも使われている。
(2017年1月3日号掲載)