家の妖怪
出没地域:高野町
怖さ:3

2017012806_youkaimordo 激しい雨の降る晩 、富貴村(現在の高野町)のとある家の天井が急に激しく揺れはじめ、タコのような妖怪が現れた。それは天井をニョロニョロと這い回り、ひとつの目は天を、もうひとつの目は地を睨み、手足の先から水を吐き出した。家人はガタガタ震えていたが、しばらくして雨がやむと妖怪は音もなく消え去ったという。よほど恐ろしかったのだろう、家人は言った。「世の中で、虎、狼よりも、もるど恐ろし」と…。実はこの妖怪、〝漏奴〟という漢字があり、雨漏りが語源となっている。昔の人は皆、雨漏りを恐れた訳だ。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(2017年1月28日更新)