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 本を借りた人が、読み終えた感想を帯に書き込んでいく「伝書バトン」を、下津図書館(海南市下津町下津)が昨年末に始めた。同館の南方貴美子さんは「伝書鳩がおすすめの本をバトンのようにつなぐイメージで名付けました。読んだ人が楽しみながら取り組める。読書の輪が広がってほしい」と願っている。

 本を通じた交流を生もうと初めて企画した。2階に並ぶ一般書すべてが対象で、カウンターに設置した帯カバー状の紙に、感想や好きなセリフなど自由にコメントを添えてもらう。帯が付いた本は、棚の側面に設けられたスペースに陳列。伝書鳩にちなみ、色画用紙で巣箱を模した装飾をあしらった。

 現在は10冊ほどに帯が付けられて置かれている。このうち、歴史小説『決戦!関ヶ原』には「7人の作家が7人の武将に目を向けた作品。関ヶ原をいろいろな角度から感じることができた!ウ~ン! !」「関ヶ原の合戦をリアルタイムに生きていた彼ら。この戦いの勝敗を当然知らない。(中略)それぞれの思いを胸に戦いに挑む!」と2人がコメントを書き込む。

 南方さんは「同じ本でも自分とは違う感想を持つ人がいることもある。ゆくゆくは大きな専用スペースで展示できれば」と話している。

写真=「読書の輪を広げたい」と南方さん

(ニュース和歌山より。2017年2月22日更新)