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 全国一の生産量を誇る和歌山の柿をアメリカで食べてもらおうと、和歌山県とJAが力を入れている。2月7日にワシントンDCの日本食イベントで試食会を開き(写真)、好評を得た。検疫条件などからアメリカへの輸出実績はなく、正式に決まれば日本初。国内の果物消費が縮小傾向にある中、県食品流通課の小路哲生さんは「県内の柿生産量は5万㌧あり、輸出はごく一部ですが、少しでも販路拡大につなげたい」と期待を寄せている。

 持ち込んだのは、富有柿。大きく形がきれいでカリカリした歯触りに飲食関係者らイベント参加者の反応は良かった。JA紀北かわかみの木原達夫販売課長は「いつから来るのかとの質問は結構受けました。スーパーに並ぶ安い韓国産、スペイン産との差別化が必要」とみる。今後、ターゲットにする層や販売地域を検討する。

 和歌山県産果物の柿、桃、みかんは輸出が増加傾向にある。柿は香港やシンガポールなど東南アジアで人気が高く、2015年度は53㌧を輸出し、10年前の30㌧から大幅に増えている。特に、輸送時に実が軟らかくなるのを抑える技術が改良され、昨年はカナダ、アメリカへの輸出を模索。カナダへは5㌧送ったものの、アメリカは許可が下りず今回、特例で40㌔を出した。今秋に輸出が可能になる見込みで、JAはたねなし柿を主に出す方向だ。

(ニュース和歌山より。2017年3月4日更新)