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 白浜町出身のライター、間部理仁(まなべりひと)さん(25)が留学の夢を追い、自らの人生を切り拓いた経験をつづった『Fラン大学生が英語を猛勉強して日本のトップ商社に入る話』を宝島社から12月に出版した。間部さんは「今の環境に満足できない人の背中を押す一冊になれば」と望んでいる。

 間部さんは田辺高校時代に陸上部に在籍。当時は偏差値が30台だったが、箱根駅伝出場の夢を抱き、関東の私立大学へスポーツ推薦で入学した。しかし、入学直前に短期留学でイギリスにいた姉を訪ねた際の衝撃が大きく、入部した駅伝部を1週間で退部。大学も辞め、留学を新たな夢とし、再受験を目指し始めた。

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 これまで勉強してこなかったのがたたり、当初、模擬試験の英語は200点満点中33点とさんざんな結果だった。その後、地道な学習で成績を伸ばし、京都外国語大学に合格。入学後もTOEIC970点まで伸ばし、3年でロンドン大学東洋アフリカ研究学院へ留学した。卒業後はロンドン大学大学院へ進み、環境学修士号を得て、今年4月には総合商社への入社が決まっている。

 同書は6章構成で自らの経験を記し、「大事なのは続けること」「無理だと言う人の言うことを聞いてはいけない」とその都度得た教訓を書き込んだ。最後に自らの英語勉強法を紹介している。間部さんは「常に社会的によいとされることを選ぶのではなく、自分の直感で進んできた。中高生ら若い人が世界に興味を持つきっかけにしてほしい」と呼びかけている。

 四六判、1404円。主要書店で販売。宝島社(03・3234・4621)。

写真上=間部理仁さん

(ニュース和歌山2015年1月31日号掲載)