まなぶ 友だちが県立博物館で仏像をさわったって言ってたよ。すごく軽かったんだって。
お父さん 3Dプリンターっていう機械で本物そっくりに作って、色を付けた仏像だね。プラスチックだから、軽いはずだよ。
まなぶ どうしてそんなのを作ったのかな。
お父さん 2010年ごろ、普段は人がいないお寺から仏像がたくさん盗まれる事件があったからだよ。盗られた時のために、代わりの仏像を2つずつ作り、1つはお寺に、もう1つと本物は博物館に置いているんだ。
まなぶ それで作り始めたんだ。
お父さん 元々は目の不自由な人に博物館でどんな展示があるかを知ってもらうため、祭りで使う江戸時代のお面を作って展示したんだ。それを仏像や埴輪に広げたんだよ。本物を出して、傷がつくといけないからさ。
まなぶ 落としたら、壊れるかもしれないしね。
お父さん 目が不自由でなくても普段は仏像をさわるなんてできないよね。裏側を見たり、いくつかの部分に分かれているところをはずしたり。実際にさわれるので、分かりやすいと評判なんだ。こんな展示は世界でも珍しいんだよ。
まなぶ ぼくもさわりたいな。
お父さん 6月4日(日)まで展示してるから、みんなで行こうか。
(ニュース和歌山より。2017年4月12日更新)