和歌山市消防局は、消防法令違反がある建物の公表を4月に始めた。建物の利用者が防火対策の情報を入手し、安心して利用できるようにするのがねらいだ。
対象は不特定多数の人が利用するホテル、百貨店や、自力での避難が難しい人がいる病院、福祉施設などで、基準上必要な屋内消火栓、スプリンクラー、自動火災報知機が設置されていない建物。改善通知から14日以内に対応が見られない場合にHPで公表する。現在、同市で消防設備の設置が義務付けられている建物は3488施設あり、4月27日時点で違反はない。
違反対象物の公表制度は、2013年2月に長崎市で発生した認知症高齢者グループホームの火災などを受けて、同年から政令指定都市で実施されていた。和歌山市消防局の乾嘉晃さんは「既存建物の部分的な改修や用途変更でも、新たに消防用設備が必要になる可能性がある。判断に迷えば相談を」と呼びかける。
(ニュース和歌山より。2017年5月6日更新)