殺処分される野良猫を救おうと活動を続ける城下町にゃんこの会の奥康子代表が、里親に引き渡すまで預かる保護シェルターを和歌山市中心部で始めた。昨年末にクラウドファンディングで寄付を募り、自己資金を加えて6月20日に開設。「不幸な猫をなくし、猫と人間が共生できる社会を実現したい」と思いを強めている。
シェルターでは、保健所や動物愛護センターなどから引き取った野良猫、捨て猫を、里親が見つかるまで保護。現在、17匹を飼育する。
県内で殺処分された猫は2015年度で2478匹。06年度の3951匹から4割近く減ったが、全国3番目の多さだ。大半が生後間もない子猫で、殺処分前に死ぬことも少なくない。
奥さんは10年ほど前から、猫を保護し病気治療や不妊去勢手術を施してきた。昨年7月、40匹を超す猫の里親を探すことになり、譲渡会を初開催。以来、毎月開き180匹以上の飼い主を決めた。
保護する猫は、たいてい猫かぜにかかっており、寄生虫がいることも多い。シェルターでは体調が安定するまで別々のケージで飼育する。元気になり里親に渡せるようになるには、たいてい1ヵ月以上。それまでの治療費や不妊去勢手術費、飼養費はほぼ自腹だ。
「和歌山は猫を家の外に放し飼いする人が多いのも、野良猫が増える一因」と憂う。今後、保護活動を続けながら、不幸な猫が増えないよう、飼い猫の不妊去勢手術徹底を呼びかける。
7月16日(日)午前11時〜午後3時に、和歌山市十三番丁のポカラで「保護猫マルシェ」を開く。譲渡会や撮影会、雑貨市がある。譲渡会は毎月第3日曜開催。詳細は城下町にゃんこの会フェイスブック。
写真=シェルターで保護中の子猫を抱く奥さん
(ニュース和歌山/2017年6月28日更新)