7月、暑さが本番を迎えると増えるのが熱中症だ。関係機関は7月を熱中症予防強化月間とし、注意を呼びかけている。和歌山市消防局警防課で昨年の救急搬送者数、予防や応急処置の方法を聞いた。
屋内でも注意
昨年の熱中症による救急搬送者は231人。月別では、5月=11人、6月=10人、7月=74人、8月=111人、9月=17人で、7月と8月が突出して多かった。また全体のうち、65歳以上が115人と半数を占めた。
搬送者がいた場所では、グラウンドや畑など屋外が132人と多いものの、職場、住宅内といった屋内も99人いた。2013年は50%、14年は48%、15年は47%が屋内で、「家の中などにいても、冷房を使わず、脱水症状となり、救急搬送される例は少なくありません」。昨年も、クーラーの壊れた部屋で日中を過ごし、夕方から熱っぽさを訴え、その後意識障害が出たケースがあった。
水分+塩分補給を
外出時には日傘や帽子を活用し、涼しい服装をするのが予防の基本。あと、「のどが乾いてからではなく、小まめに水分をとり、汗をかいたときには塩分も補給してください」。
症状としては、めまい、筋肉痛、大量のあせ、頭痛、吐き気など。熱中症が疑われる場合は、涼しい場所に避難させ、水分と塩分を補給する。体を冷やす際は、太い動脈があるわきの下に氷のうなどをあてると効率が良い。自力で水分をとれない時、休んでも症状が改善しないときは医療機関を受診し、呼びかけに対する返事がおかしい時は、救急要請が必要だ。
気象庁は気温が35度以上と予想される場合、「高温注意情報」を発表。また、環境省は「熱中症予防情報サイト」を設け、気温や湿度など複数の指標から出す暑さ指数「WBGT」を掲載しており、登録すればメールでも情報を得られる。
写真=体に異常を感じた人が気軽に利用できるよう、和歌山市は6~9月、市内のコミセンや支所など55ヵ所を「熱中症予防休憩所 ひとやすみ所」としている
(ニュース和歌山/2017年7月1日更新)