『ジローとぼく』
作・大島妙子(偕成社)


 ぼくと犬のジローは、子犬の時からいっしょに寝ている。ジローが大きくなったので、犬小屋を作った。その夜、ジローとぼくは初めて離れ離れに。けど、ぼくは眠れない。ジローがないてるんだもん。ぼくはジローと犬小屋で眠ることにした。

 朝、起きてびっくり! ジローがちゃぶ台でご飯を食べてる。ジローとぼくが入れ替わっちゃった。犬のぼくはらくちん。宿題をやらなくていいもん。でも、ぼくになったジローは、なんでもうれしそうにやるんだ。宿題も、泣き虫の妹と遊ぶのも、おばあちゃんの肩たたきも…。

 ジローとぼくに種を超えた男同士の友情を感じて、あったかい気持ちがじわっと広がる絵本です。

(和歌山市民図書館司書 額田美那子)

(ニュース和歌山/2017年7月5日更新)