高校生が俳句の完成度と鑑賞力を競う俳句甲子園県予選が6月17日に和歌山県民文化会館で開かれ、桐蔭高校創作部俳句班が団体戦で初優勝、個人部門で同校2年の楠間麗奈さんの作品が最優秀に選ばれた。8月の全国大会を前に、楠間さんは「スランプで句が作れない時期もありましたが、メンバーと乗り越えてきました。個人部門では冒険した句を作るけれど、団体戦は絆が魅力。最善を尽くしたい」と意気込む。

 毎年、愛媛県で全国大会が開かれる俳句甲子園。和歌山県予選には4校から6チームが参加した。

 5人1組で行う団体戦の決勝で桐蔭は、向陽と対戦。題は「ガーベラ」で、松本梓紗さん(2年)の「ガーベラよ 数学の問い 解いてくれ」に審査員5人中4人の旗が上がった。「ガーベラの花は知らなかったですが、苦手な数学の問題集の表紙に描かれた幾何学模様と、花のイメージが結びついて出てきました」と松本さん。

 一方の個人部門は、題が「立夏」で、楠間さんの「夏立つや ホルスタインの 乳張って」が選ばれた。夏を迎えて青々と生い茂る牧場の風景が目に浮かび、言葉から生命感があふれるように作った。

 俳句班は昨年、俳句甲子園に向けて結成した。現在は7人が週1回、6句以上持ち寄っている。全国結社「狩」の同人で、外部指導員の永山英樹さんは「やる気がとても強く、大人が使えない言葉を思い切って選ぶ。ただ突飛なのではなく、句として成立しています」と語る。

 全国大会は8月18日〜21日。松本さんは「勝ち負けはあるけれど、強豪校の句は鑑賞しているだけで楽しい。自他問わずあの句はよかったと思って帰ってきたい」と目を輝かせている。

写真=「口を開けば俳句のことばかり」と笑う7人

(ニュース和歌山/2017年7月12日更新)