近年減少傾向にあったオレオレ詐欺や架空請求などの特殊詐欺被害が昨年後半、増加に転じた。振り込みや、現金を荷物として送らせるのが主流だった送金方法に電子マネーが加わり、被害数を押し上げたのが一因。1件あたりの被害額は減っているが、若者を中心に件数が増えており、県警は注意を促している。

若者に電子マネー購入指示

 和歌山県警が被害届を受けた特殊詐欺件数は、2012年の85件をピークに13年以降は55~63件で推移。被害総額もここ2年は減少していた。これが昨年後半に一転し、件数が増え始めた。昨年は6月までが28件で、7月以降は35件、今年は6月末までに49件となった。

 また、これまで被害者は65歳以上が6~7割を占めたが、今年は50代以下もターゲットになっている。20~50代は昨年1年間で13人だったが、今年は半年で18人。特に電子マネーが絡むケースは、昨年1年の6件から、半年で11件となった。

 手口は、電子決済に利用できるカードをコンビニエンスストアなどで購入させ、決済に必要な番号を聞き出すもの。振り込みや現金郵送だと100万円単位の被害もあるが、電子マネーには上限があり、1回の被害は5万円、10万円と少額が目立つ。それでも件数増で、被害総額を押し上げる。

 増える電子マネー被害に対し、県警は現在、対策をコンビニと詰めているところ。「新たな手口は次々出ますが、時に昔の手口の復活があります。不審な要求があれば、警察相談電話(#9110)へ」と呼びかける。

(ニュース和歌山/2017年8月12日更新)