南海トラフの巨大地震に備え、和歌山をはじめとした7府県と国、関係機関が連携し7月29日、医療活動訓練を行った。全国から集まった災害派遣医療チーム(DMAT)が和歌山県内の医療機関や港、空港などで取り組み、非常時の患者搬送や物資輸送、連絡体制を確認した。

 南海トラフの巨大地震が起きた場合、県内の重傷者は1万人近くにのぼると見込まれる。地震による医療機関の機能低下が懸念されており、10ヵ所ある災害拠点病院で対応しきれない可能性がある。県内での訓練は4年ぶりで、医師や看護師らでつくるDMATは県内20チームを含む90チーム、約1000人が参加した。

 県庁南別館や和歌山下津港、南紀白浜空港などで実施。和歌山市のコスモパーク加太では、今春移転した県消防学校を拠点に、医療機具や医薬品の搬送訓練を行った。地元企業の大黒などが注射器や点滴といった機具を届け、救急車やヘリコプターで運び込まれた患者をDMATが対応した。

 県医務課は「全国から集まったメンバーが顔を合わせ、場所にも慣れておくことは、いざという時の時間短縮につながる。訓練結果をもとに関係機関と話し合い、対応力を高めたい」と話している。

(ニュース和歌山/2017年8月12日更新)