和歌山市東紺屋町の和歌川沿いで開かれた夏祭りの提灯がぼんやりと川面に映り込んでいます。

 内川はかつて、人々が働き、生活する場であり、祭りや儀式の時は祈りの場所でもありました。通行・物流ルートとしても利用され、これまでたくさんの人々が出会い、行き交ってきました。

 街並みが変わっても、祭りや暮らしといった、人々の営みは変わらず、川面はそうした街の歩みを見守ってきました。内川の歴史を再発掘し、水面に映る街の風景のように、歴史を映し出しながらも、現代に通じる方法で水辺を再建できればと思います。

(写真家 サイモン・ワーンさん)

 和歌山市の市街地を流れる内川を切り取った1枚を紹介する「MIZBE SCENE(ミズベ・シーン)」は隔週土曜号で連載します。

(ニュース和歌山/2017年8月12日更新)