ゆく夏を惜しむように花火が美しい花を咲かせていますね。雄が卵を育てるハナタツのお話(6月14日号掲載)を覚えていますか? あの時に撮影した場所で、生まれて数日の小さな赤ちゃんに出合いました。尾が小さすぎて海藻に上手くつかまれず、何度も流されてはまたつかまる健気な赤ちゃん。ハナタツは1シーズンに数回出産するので、もしかしたらあのハナタツの子かもしれませんね。

 何度も水中を訪れていると、時には捕食など命の終えんや、生命誕生の瞬間に立ち合え、生き物の成長の様子を観察できます。

 私が皆様をご案内する水中散歩は今回が最終回となりますが、水の中の世界は、今日も、明日も、この先もずっと、生命の営みが続いていきます。

写真=生まれて数日のハナタツの赤ちゃん

協力:みなべ、田辺ダイビングサービス L−DIVE

塩崎仁美…東大阪市出身。和歌山県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。

(今回で終了です)

(ニュース和歌山/2017年8月23日更新)