作業療法士ら冊子作成
認知機能が低下した障害者や高齢者の自動車運転について考えるグループ「運転すんの会せんの会」が10月27日(金)、当事者向けのパンフレットを発行する。事故や病気、加齢により運転に不安を感じる人向けに情報をまとめた。鍵野将平代表は「車が欠かせない和歌山で移動手段を失えば生活の質は一気に落ち、症状が悪化する。運転再開に向けた必要な手続きや支援制度について知ってほしい」と話している。
脳卒中や高次脳機能障害がある患者のリハビリを行う作業療法士が昨年結成。「運転したい」と相談を受けることがあるものの、運転の可否を判断する基準が未整備のため、当事者の声を聞きながら運転支援の在り方を考えようと立ち上げた。「県外では教習所と病院が連携して研究したり、一定距離内であれば運転を認めたりと、都道府県ごとに取り組みがされています」と鍵野代表。
パンフレットは、病気ごとの症例と運転の際に起こりうるトラブル、運転再開に関する法律と手続き方法を紹介。日常生活で「そわそわと周囲が気になる」場合、運転時は「集中力が持続せず、長時間の運転ができない」など具体例を挙げ、「疲労度や運転内容によって症状が変わり、自覚しづらいものもあるので注意を」と呼びかける。また、高齢者の運転についても、今年3月に改正された道路交通法の情報を盛り込んだ。
鍵野代表は「道交法改正で免許が取り消されたのは全国で6万人と言われます。支援の在り方に加え、取り消された人の移動手段についても考えていく」と先を見据える。
1部500円。希望者は同会(driving.sien.wakayama@gmail.com)。
写真=作業療法士らが集まり、自動車運転について話し合った
(ニュース和歌山/2017年9月9日更新)