まちに良い影響を与える建物を評価し地域の価値を高めようと、建築三団体まちづくり協議会が9月9日、和歌山市できのくに建築賞審査会を開催。最優秀の県知事賞に高野町の「高野山ゲストハウス」(写真)を選んだ。
県内の建築賞は10年間途絶えていたが、昨秋、県建築士会などでつくる同協議会が同賞を新設した。過去10年間に完成した県内の建物が対象。今年は46件の応募があり、書類審査を通過した7件の設計者が発表した。
高野山ゲストハウスは、ひっそりとしたたたずまいの中、カプセルホテルのような部屋とリビングダイニングとの間に立ち並ぶ細い木の柱が両者をゆるやかにつなげ、宿泊者同士の交流を促すスタイル。海外から高野山を訪れる人が気軽に入れるカジュアル性が評価された。
特別賞の1つ、紀州材賞は、和歌山市の「立ち寄りどころのある複合福祉施設」。松江地区にある高齢者サロンと学習塾で、紀州材をふんだんに使っている。床と屋根のみのテラスを、高齢者と地域の人、子どもたちが集う場とすることで、町に開こうとするコンセプトを訴えた。
もう1つの事務所協会会長賞は田辺市の「紀州梅の里なかた本社売店」で、シンプルな切妻屋根と、県産材を多く取り入れた建築技術伝承のうまさが認められた。
(ニュース和歌山/2017年9月16日更新)