江戸時代の『紀伊国名所図会』に、この滝を驚きの表情で眺める多くの旅人の姿が描かれている。この滝を見るため、わざわざお参りに来たというのだろうか。
熊野古道沿いにある岩屋山福勝寺。江戸時代初期、僧が堂にこもり護摩行をしていると、夜中に求聞持堂の外でどんどんと大きな音がした。翌朝、お堂の縁側の板に、人とは思えないほどの大きな手形がついていたという。寺の大樹にはかつて天狗がすむと言われ、魔道におちた天狗のしわざと噂された。驚きなのは、その手形がお堂の軒下に今も残っていることだ。
『紀伊国名所図会』には「窟中より滝の背面を望む」とあり、裏から見ることができることから初代紀州藩主徳川頼宣に名付けられたという。
(ニュース和歌山/2017年9月23日更新)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。