アメリカで和歌山の柿を──。柿の対米輸出が10月12日(木)に解禁される。今年度、国内から出荷できるのは、条件をクリアした和歌山の柿のみ。JA紀北かわかみの木原達夫販売部長は「アメリカは市場規模が大きく、魅力」と期待を寄せている。

 和歌山産の柿は10年余り前から、香港やシンガポールなどアジア圏に輸出してきた。輸送時に実がやわらかくなるのをおさえる技術が改良されたことで、さらなる販路拡大を目指し、昨年はカナダとアメリカへの輸出を模索。カナダには5㌧送ったが、アメリカは許可が出ず、試食会用に特例で40㌔を持参しただけだった。

 解禁をにらみ、JA紀北かわかみなどが和歌山県内3ヵ所を国に登録し、農薬対策を実施してきた。今回、いずれも条件をクリア。まず、同JAが生産する富有柿を年末か年始に輸出するに当たり、販路開拓を進める。

 今年2月に首都ワシントンDCで開いた試食会では、富有柿に一定の評価を得た。木原部長は「今回の出荷はせいぜい1㌧。安定して出すには、需要の掘り起こしが必要で、県や日本貿易振興機構の協力を得て販売先を確保したい」と慎重に取り組む考えだ。

写真=2月の試食会は好評

(ニュース和歌山/2017年9月23日更新)