昨今大流行の「クラウドファンディング(CF)」。個人や企業がインターネット上で目標(プロジェクト)を公開し、不特定多数の人から資金を募る方法だ。サイトには思わず応援したくなるような夢が並ぶ▼県内企業では今年、自転車と電動バイクを組み合わせたハイブリッドバイクが1億円以上を集め注目を浴びた。メリットはお金だけでなく、例えば商品開発では、完成までのプロセスを公開することで、市場調査や商品のファンづくりにつながる▼便利なCFで、しばしば議論になるのは「社会貢献性は必要か」という点。先日、学生結婚したカップルが出産費用を募ると発表し、話題になった。夫の「出資者はこの子のソーシャル上の親。みんなで子育てしたい」との言い分には閉口した▼目には見えなくても、そこには見知らぬ者同士のお金のやりとりが生まれる。何のためにCFを利用するのか。安易に考えず互いに納得できなければ、夢を持てる便利なツールでも、諸刃の剣となってしまう。 (島本)
(ニュース和歌山/2017年12月2日更新)