ブッシュドノエルに、カップケーキ、リボンでデコレーションされたキャンディー…。これらは全て〝使える〟ケーキだ。障害がある人やひきこもりなど心に課題を抱えた人が働く、和歌山市田中町の福祉作業所パンダ作業所のタオルケーキが人気を集めている。管理者の宝条彩未(あみ)さんは「自分が作ったものが店頭に並ぶのを見るとうれしい。メンバーの自信につながっています」と語る。
8月に開いた同所は現在、3人が通所する。タオルの袋詰めをしていたが、メンバーが楽しみながら取り組めるよう、出産祝いに贈られる「オムツケーキ」をヒントに、タオルをケーキの形にして売り始めた。
カップケーキはつぶれないようにふんわりと、キャンディーは崩れを防ぐためにしっかり巻く。3人がタオルを巻く係、季節の飾りの針金を刺す係、リボンを巻く係などと、担当に分かれる。通所する女性は「クリスマスケーキは難しかったけど、かわいくできました」。宝条さんは「作業所に来るのが楽しいと利用回数を増やす人もいて、社会に貢献している実感を持って取り組んでいます」と目を細める。
住宅展示場や結婚式場のほか、病院、託児所、介護施設から注文が寄せられる。10月の販売開始から1ヵ月で800個を売り上げ、現在はクリスマスに向けブッシュドノエルの製作を増やす。
1個150円〜。フォルテワジマほかで販売。クリスマスや誕生日のタオルケーキも受け付ける。同所(073・488・4308)。
(ニュース和歌山/2017年12月6日更新)