発達障害児者の支援施設「ポニー」が12月1日、和歌山市鷺ノ森堂前丁の岩橋ビル2階に開所した。発達に課題のある人を30年以上支えてきた同市の言語聴覚士、岡美代子さんの活動をサポートしようと、NPO和歌山勝手連ネットワークが設置。岡さんは「娘と2人で活動していましたが、勝手連の応援のおかげで拠点開設にこぎ着けました。早い段階で周囲が適切にかかわり、支援を受けられれば当事者の暮らしやすさにつながる。気軽に相談しに来て」と呼びかけている。
岡さんは1982年から地元の病院で、言葉の発達に遅れがある人と向き合ってきた。今春、定年退職した後も、岡さんを頼ってくる人が多かったため、コミュニティセンターなどを借りて支援活動を続けていた。
NPO新設の拠点で活動
同NPOの得津修司理事長は、息子の彰伸さんが小児脳性マヒで言語障害があったため、岡さんと30年来の付き合い。岡さんから相談を受け、地域活性化に取り組むNPOでの支援を決めた。
ポニーでは、発達障害の症状の表れ方や程度を見極め、周囲との上手なコミュニケーションのとり方など特性に合った支援を行う。岡さんの娘で作業療法士の岩橋朝子さんがサポートし、発達障害で周りの物にぶつかったり、手先の細かな作業が苦手だったりする人に、身体や手先の動かし方を指導。キャンプやハイキング、陶芸体験なども取り入れる。
得津理事長は「『和歌山で困っている人を支えたい』という岡さんの熱い思いに心打たれました。積み重ねてきた知識と経験を地元で生かしてほしい」と望んでいる。
水〜土曜午前9時半〜午後5時半。未就学児〜高校生対象。得津さん(073・471・9151)。
写真=岡さん(前列右)と活動を支援するメンバー
(ニュース和歌山/2017年12月9日更新)