未来スクール 25人が〝1日先生〟

 地域の大人たちが〝先生〟になる職業体験イベント「未来スクール」が12月10日、和歌山市鷺ノ森南ノ丁の伏虎義務教育学校で開かれ、小学生約240人が参加した。企画した和歌山県専修学校各種学校協会監事の山本理恵さんは「大人たちが伝えた一つひとつの言葉を、子どもたちは大切にしていました。年に1度のイベントでなく、普段の学校教育にも広がっていけば」と願っている。

 県外進学率日本一の和歌山。未来スクールは、将来のふるさとを担う子どもたちに、地元の大人が働く楽しさを伝え、和歌山で夢を叶える若者を増やそうと、2014年から開いている。今年は、書店、花屋の専門家、大工、医師、弁護士、自動車整備士など、それぞれの専門分野を生かした25教室が開かれた。

 本紙の林祐司記者も教壇に立ち、小学4~6年10人に新聞作りを体験してもらった(写真)。まず、「『いつ、どこで、だれが、何を、どのようにして、なぜ』を聞いて文章を作ること」と取材のポイントを教え、医師や理学療法士らにインタビュー。子どもたちに「仕事のやりがいは何ですか」「いつごろ夢を持ったのですか」など質問してもらい、文章のまとめ方を指導し、新聞を完成させた。林記者は最後に、「様々な情報があふれる今、自分の目と耳で本当かどうかを確かめることが大切。何が正しいかを考え、自分の意見を持ってほしい」と締めくくった。

 布団店の店主にインタビューした和歌山大学附属小6年の黒田かれんさんは「普段ふれ合う機会のない人に話を聞けて良かった」。工務店社長に質問した藤戸台小学校5年の兼田悠生くんは「家を建てるためにこだわっていることを詳しく聞き取りました。原稿用紙が一杯になりました」と笑顔を見せていた。

(ニュース和歌山/2017年12月16日更新)