江戸時代の地誌書『紀伊国名所図会』に、「此滝、那智の滝に次ぐを以て、次滝という。げに、この瀧は那智につぐべく、此瀧に次ぐ瀧はあらざるべし」とある。延坂の滝とも言い、高さ七十五尋(135㍍)と伝わる。
滝の主は、ウナギだという。昔、村が干ばつになり、滝壺の脇にある祠に村人が集結した。祈祷師が祈りを捧げ、雨乞いをすると、轟音とともに真っ黒な大ウナギが滝を昇った。たちまち空に黒雲が広がり、雨が降り注いだ。ところが、翌年も雨乞いをすると、今度は白いウナギが昇り、雨が降らなかった。
滝壺に黒と白のウナギが棲み、滝は、那智のように垂直に落下後、岩に当たって斜めに流れ落ちることから、「継ぎの滝」ではないかと思った。
(ニュース和歌山/2018年1月13日更新)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。