支援活動する西川奈緒美さん 経験まとめ出版

 「どんぐりさんのおうちムク」として、和歌山市川辺の自宅で子育て中の保護者向けに講座や交流会を開く西川奈緒美さん(55、写真)が、育児経験と活動についてつづった『子育て不安と茄子の花は千に一つの仇(あだ)もない』を昨年12月に出版した。「親も子も人それぞれで、『こうすべきだ』といったマニュアル本にしたくなかった。1人の人間が歩んだ例として、参考にしてもらいたい」と話す。

 学生時代に小学校と幼稚園の教員免許、3人の息子を出産後に保育士資格を取った西川さん。同市が実施する「こんにちは赤ちゃん事業」の訪問員やファミリーサポートセンターの支援員として活動し、5年前から「どんぐりさんのおうちムク」を開く。

 2015年に脳こうそくを経験。幸い命は取り止め、日常生活に大きな支障をきたす後遺症もなかったが、生かされた命の意味を考えるようになった。そのころ、インターネットでつづっていた子育てに関する日記を読んだ出版社から声がかかり、本として記録に残そうと決めた。

 タイトルは、「親の忠告に無駄はない」という意味のことわざ「親の意見と茄子の花は千に一つの仇もない」をアレンジ。子育てで経験した辛いことも、今思うと全て無駄ではなかったとの思いを込めた。5章立てで、出産、育児の中で実感した育児知識と実際のギャップ、夫や親戚とのかかわりと悩み、支援する側に立って大切にしていることを文字にした。

 「育児中、しんどい気持ちを丸ごと抱えてくれる、吐き出させてくれる場や人の必要性を感じ、活動を続けています。頑張りすぎず、ぼちぼち子育てを楽しむ手助けになれば」と望んでいる。

 B6判、147㌻。1620円。アマゾンと西川さんの講座で販売。西川さん(koncon-nyaomi@ares.eonet.ne.jp)。

 

自己実現のための実践講座

 1月27日(土)午後1時半、和歌山市小人町のあいあいセンター。同市で子育て支援に取り組む自己実現サポーターの西川奈緒美さんが「『ワーク・ライフ・バランス』の方程式?~求めた場所で咲くために必要なこと」と題し話す。500円。同市在住か通勤通学する人対象。1歳~未就学児の一時保育あり。希望者は市男女共生推進課(073・432・4704)。

(ニュース和歌山/2018年1月20日更新)