10年ぶりに貴志川線に乗った。一緒に行った小学1年の息子は、初めて乗るたま電車に目を輝かせていた▼和歌山駅出発直後、息子はまず、住宅と住宅の間を縫うように走ることに驚き、「家に当たりそうや」。車内の運賃表や整理券発行機を見て、「バスみたいやな」。山東駅に描かれたたけのこまんの絵や貴志駅ホームのいちご神社で、特産品もお勉強。具だくさんな30分間だった▼筆者の心にとまったのは、伊太祈曽駅到着前と発車後に流れた『鞠と殿様』。近くの年輩客も「てんてんてんまり…」と口ずさんでいた▼和歌山電鐵に聞くと、和歌山駅では『紀州ぶんだら節』、貴志駅では『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』を短くアレンジしたメロディーが流れるそう。派手じゃないし、県外者には分からないかもしれないが、こうした隠し味的な心遣いが人気の秘密かも。何が客の心をつかむのか分からない▼ちなみに帰宅後、息子に聞くと、心に残ったのは、「西山口」との駅名だったそうで…。 (西山)
(ニュース和歌山/2018年2月17日更新)