地元で獲れる新鮮な海産物を消費者に届けようと、和歌山市と海南市の6漁協と地元行政でつくる和海地区広域水産業再生委員会が1月、新ブランド「和海もん」を立ち上げた。産直市場よってっての岩出店と貴志川店で販売を始めており、同委員会で戸坂漁協の浜端敏樹さんは「良い魚だけど数が多くないため市場に出せないことがあった。1匹でも販売でき、価格も決められるのでありがたい」と喜ぶ。

 地元漁協の漁場である紀伊水道は、プランクトンが豊富で潮の流れが速い。魚種は豊富だが量が少ないため出荷できない魚が多く、価格も安定しなかった。また、加太、西脇、和歌浦など6漁協の年間水揚げ量は2010年の1169㌧から15年は764㌧に落ち込んでおり、消費者に魚を直接届け、収入増につなげようと、産直を手がける同店に相談した。

 通常、市場を通して店頭に並ぶまで最低1日かかるが、「和海もん」は毎朝、各漁協が水揚げしたばかりの魚介類を店へ運び込む。シラス、アシアカエビ、タチウオのほか、スーパーで見かけることの少ないエソやガシラなど約30種類をそろえ、仲介がない分、これまでより3~4割安く販売できている。

 専用シールとポスターなどでPRしており、岩出店の岩原美儀(みつぎ)店長は「調理法や次の仕入れ内容について質問されることもあり、新鮮な地魚への関心の高さを感じます。扱う店を増やしたい」と話している。

写真=地元の新鮮な魚介類が店頭に並ぶ

(ニュース和歌山/2018年2月17日更新)