俳句甲子園優秀賞 松本梓紗さん(桐蔭高2年)
「髪洗う姉のお下がり脱ぎ捨てて」。愛媛県松山市で昨年8月に開かれた俳句甲子園個人の部で優秀賞に選ばれた。「俳句は少ない文字数で表現するので、読んだ人が自分のイメージで補完し、作品の内容に共感しやすい文芸。大会で出会った全国の学生とインターネット上で句について議論する毎日です」と魅力を語る。
俳句と出合ったのは中学3年。桐蔭中学校創作部の友人に誘われ、俳句甲子園に出場する向陽高校を見学し、熱気に感動した。高校進学後に俳句班を結成し、昨年初めて県予選を勝ち抜き、全国大会に進んだ。
俳句甲子園前は、1日に20句ひねることも。実生活で起きたことを一つひとつ季語に結びつけ、イメージを膨らませた。お下がりを着る幼い少女としての自分から脱皮する決意を詠んだ受賞作は、情景描写の鮮やかさが評価された。
毎日句作し、小説も書く。将来の夢は、本の出版にかかわることだ。「自分の句集を出すのもあこがれですが、1人でも多くの人に文学に触れてほしい。書物は世界を広げてくれます」
(ニュース和歌山/2018年2月17日更新)