2月24日、25日 郭家住宅で公開

 和歌山市和佐地区の大庄屋だった中筋家の分家に当たる中筋正保さん宅(同市祢宜)から、幕末のものと見られるひな人形が見つかった。2月24日(土)と25日(日)の2日間、同市今福の登録有形文化財、郭家住宅で展示される。

 中筋家は1585年、羽柴秀吉の根来攻めを逃れ、根来から同所に移ってきた初代、文貞坊に始まると言われる。旧住宅は国指定重要文化財として一般公開されており、南300㍍ほどの場所にある中筋家住宅は、分家6代目の正保さんが所有する。

 人形が見つかったのは昨年12月。登録有形文化財の洋館、郭家住宅を活用する郭家住宅の会がひな祭りを企画し、世話人の西山修司さんが、古い人形が眠っていないか尋ねた。土蔵の2階を調べると、おひな様とお内裏様3組と官女3体が出てきた。中筋さんは「全く知らなかったです。だれのものか分かりませんが、嫁入り道具として持ってきたのでは」と目を細める。

 高さ、幅約40㌢の木箱に収まっており、現代のものよりも大きい。着物は色あせているが、損傷はほぼない。県文化遺産課よると、このうち最も古いものは、表情があまりない顔立ちや着物から幕末の京都で作られたもの、残りの2組はやや近代的で、明治から大正に東京で作られたと推測される。

 西山さんは「木箱には1917年の新聞が入っていました。100年近く眠っていたのかもしれませんね」と話す。

 24日(土)と25日、郭家でのひな祭りでは中筋家で見つかった人形のほか、郭家所有の戦前のものなど計5組を飾る。公開は午前10時〜午後3時。

(ニュース和歌山/2018年2月24日更新)