『紀伊続風土記』に、「瀧姫神は神名帳に載する從四位上瀧姫ノ神なるへし。今重(畳)山の西南に姫川あり姫川村及姫村あり。皆瀧姫の名に取うて名附るならむ。是瀧姫神の證となす」と記される。

 瀧姫神は、多岐津姫、多岐理姫、市杵島姫という三瀧姫を祀る。この女神たちは、九州・筑前の宗像三神であるという。

 村の名前「姫川」に影響を与えたであろうお姫滝は、どういった経緯で出現したのか。また、重畳山は信仰の山だが、そんな山深い滝に、どうして九州地方の海の女神たちが降臨したのか。

 古来、村人は、かがり火をたき、水を掛け合い瓦を投げ合う雨乞いの儀式を行ったという。お滝さん、姫川滝とも呼ばれ、頭部に霊験ある「脳神様」として祀られている。

(ニュース和歌山/2018年3月3日更新)

大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。