パーソナリティ・カレッジ 障害者が植物の世話や販売

 植物とのふれあいを通じて障害者の職業訓練を緩やかに進める植物店「ガジュガジュ」が3月1日、和歌山市梶取にオープンした。障害者の就労支援を行う一般社団法人パーソナリティカレッジが開設。同店の松尾綾人さんは「障害者一人ひとりの特性を生かします。農業と福祉を組み合わせた〝農福連携〟ならぬ、〝植福連携〟で植物を通じ福祉に貢献します」と話す。

 同法人は2013年、障害者の職業訓練を行うレストラン「トラットリア・エジソン」を開いた。ひきこもりや精神障害などがある55人を受け入れ、調理、接客、清掃を通じて社会生活になじめるよう支援し、8人が一般企業に就職した。

 ただ、レストランは接客担当以外でも客から声をかけられたり、注文に追われたりと、仕事の流れをつかむのに苦労する利用者がいた。植物の世話であれば自分のペースで働けると考え、植物店を開くことにした。

 多肉植物や、土も水もほとんどいらないエアープランツも販売。カフェと工房を併設し、寄せ植えや鉢植え作りの教室を開く。利用者は植物の世話だけでなく、店内の装飾デザインや商品のラッピングも行い、技能訓練の一環で工具の使い方を学ぶ。

 精神障害があり、1年半前からエジソンで働く20代男性は「人と接することができなかったが、働く中で会話できるようになりました。インテリアが好きで、整理収納アドバイザーの資格を取り、自分自身と店のレベルアップを目指したい」と意気込んでいる。

 午前11時~午後6時。日曜定休。同店(073・480・1147)。

(ニュース和歌山/2018年3月3日更新)