みの印章堂が開発

 七曲市場の老舗はんこ店、みの印章堂は2月14日、介護される人の似顔絵を印刷したベストを発表した。イラストと共に、連絡先や「一人で歩いていたらこちらにご連絡ください」といったメッセージを添え、徘徊(はいかい)時に役立てる。淺井隆一常務は「笑顔になる似顔絵で、おじいちゃん、おばあちゃんの身を守りたい」と話している。

 同社は2016年、似顔絵をあしらったメッセージ付きはんこが和歌山市のチャレンジ新商品に認定され、イラスト付き名刺やLINEスタンプなど、似顔絵を生かした商品を多数展開する。

 箕尾光芳社長が現在85歳の母親を介護する中、似顔絵を介護に活用できないか思案。何度か行方が分からなくなった際、警察から「どんな服を着ていたか」と聞かれたことから、似顔絵が目印になると考えた。

 ベストは、反射材の付いた目立つ蛍光色で、胸元と背中にイラストをあしらう。家族が就寝後に徘徊した際でも探しやすいよう、パジャマの上に羽織れる柔らかい布素材にした。

 イラストは写真を元にスタッフが作成。単に似せるだけでなく、例えば日本舞踊の指導者だった人には着物姿でポーズを付けるなど、個性や特技を表現する。淺井常務は「その人らしさを考えた、真心のこもった介護用品。敬老の日や誕生日の贈り物に」と願っている。

 注文はHP(「マクアケ 似顔絵ベスト」で検索)。みの印章堂(073・423・0447)。

写真=蛍光色のベストに似顔絵