昨夏の主軸残り態勢万全　春に挑む智辯和歌山

　春、夏合わせて全国優勝３回、準優勝３回を誇る強豪、智辯和歌山。４年ぶりとなるセンバツは、昨夏の甲子園を経験した投打の主軸が新チームの中心となり、態勢は万全だ。夏の大会後に疲労骨折で手術を受け離脱していた林晃汰選手が復帰し、看板の打線に迫力が戻った。チームの特徴と甲子園にかける意気込みを、髙嶋仁監督と文元洸成主将が紹介する。（文中敬称略）

バランス良く走攻守に力

─今年のチームは？

髙嶋　力のある選手がいて、走攻守のバランスがとれています。秋の近畿大会は、エース平田の疲れが抜け切れていませんでしたが、今は万全。良いボールが来ています。小堀、池田らも近畿大会で良いピッチングをしました。攻撃面は、林が戻ったことが大きい。自分が出ない中、チームメートのがんばりでセンバツをつかんだ。その思いをバットに乗せてくれるでしょう。

文元　夏の甲子園で活躍した選手が残り、チーム作りはしやすかった。林、冨田ら長打を打てる選手が複数いますから、相手投手がいやがるはず。広角に打てる選手や、神先、西川、黒川ら走れる選手もいます。先頭の神先が出塁すれば攻撃の幅が広がり、点が入る確率はかなり高いです。

─どんな準備をしてきましたか？

髙嶋　甲子園で勝ち上がるには、体力が重要。決勝まで行っても、どんどんバットを振れる体力です。春だけでなく、夏をにらんだ長いスパンでのトレーニングですが、この冬は甲子園を意識し、張り合いを持って取り組んでくれました。

文元　バッティングでは強く打てる選手はそろっている反面、昨年の新人戦で箕島の変則投手陣を打ちあぐねました。これで気が引き締まり、１からやり直し。対策として、（右打者なら）右方向に打つ日を設けたことで、より長くボールを見るようになり、切れの良い変化球に対応できるようになっています。

写真＝課題を設定し、バッティング練習にのぞむ

普段通りに「一戦必勝」

─甲子園ではどんな試合をしたいですか。

髙嶋　「普段通り」です。練習は試合を意識し、試合は練習のつもりでやっています。野球はミスのスポーツ。ミスしても点を与えなければ良いんです。それには投手を中心とした守りが大切。昨年からショートを西川が守り、内野がグッと締まりました。失点を２～３点に抑え、相手がミスでもたついている間に集中打でたたみかければ、勝利が見えます。

文元　それぞれ意識を高く持ち冬場に取り組んできたことを試合で出したい。また、昨年勝てなかった大阪桐蔭も出場します。エース柿木蓮投手のボールに押されないよう、スイングの強さを見直しました。やり返すには最高の舞台。長所を生かせれば、優勝できるチームだと思います。

写真＝ランナーが入った実践練習に取り組む

─高嶋監督の甲子園最多勝更新が期待されます。