宿(やどり)という高野山の寺領地にあり、修行僧や山伏らがこの地で修行したと伝わる。

 ある日、修行僧が滝行に入った。滝の下にある御手洗の滝でまず身を清め、上の滝を目指し登った。暗い沢から光が差していたので不思議に思い、滝の前まで来て僧は驚いた。滝には青・黄・赤・白・黒の五色の虹がかかり、後光がさしたように燦然(さんぜん)と光り輝いていたのだ。五色は、仏教における如来の精神と知恵を表すとされる。僧は、あまりの神々しさに時間を忘れて滝に打たれた。

 こうした故事が滝名の由来であると、地元の古老は伝える。不動明王像もあり、かつては祠があったという。七色の虹とは違う、仏教的に意味のある五色の滝なのだ。

(ニュース和歌山/2018年3月31日更新)

大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。