怖さ:4
家の妖怪
出没地域:熊野地域

 春には美しい花を咲かせる椿であるが、椿の木で作った槌は化ける、また、それを家に置くと病人が絶えないと熊野には伝わっている。かつて、須川甚助という人の豪家で、天井裏から雷鳴のような激しい音が聞こえてきた。それが毎夜続いたので、家人が天井裏を調べてみると、大工の忘れた椿の槌がその音の正体だったという。熊野に伝わる妖怪、一本ダタラもこの槌を持つといわれ、椿の槌と三本足の鶏、そして化けた金魚や馬を引き連れ、旅人を襲ったとの話が残っている。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年4月7日更新)