弱点のジェラシー克服を

   ウインズ 平阪佳久

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 和歌山県民の弱点は、「遠くの人に負けても、隣には負けたくない」というジェラシーの気持ちだと考えます。県外に憧れる反面、県民の絆が弱く、時に県民同士で争って損してきたと思います。それは、ジェラシーが原因で、才能ある人材を育てられず県外に放出し、人口減少に拍車をかけていると感じます。また、他府県に比べ、子どもに一度県外へ出るよう勧める親が多く、県民自身が「一度は県外に出ないとダメ」と思う方も多いように思います。

 それを解消し、県内で才能ある若者を育てられるようになれば、和歌山を離れる人も少なくなるのでは、と思っています。和歌山は水産物、農作物、気候、風景、人材すべてにおいて素晴らしい県ですが、ジェラシーによって県民の団結力が弱いため、共同体や組合活動に求心力がなく一貫性のあるPRができないことも弱点だと感じています。

 もしそうでなけれは、和歌山ラーメンの店が集まる「和歌山ラーメン横丁」のようなものができていたでしょうし、県内の観光地にも、地元商店街などが協力し、同じ系統の建物が並ぶ街並みもできていたような気がします。
 また、みかん、柿、桃も有田、九度山、あらかわなど地域名ではなく、愛媛みかん、新潟コシヒカリのように県名で売り出すことで県内の作物がブランド化し、より高値で販売できたのでは、と思うのです。

 だから、お祭りも和歌山オリジナルの「ぶんだら」や「和歌祭」より、高知発祥の「よさこい」が盛り上がるのかも知れません。

 南海電鉄資本だった、県民が応戦すべき球団南海ホークスが早く身売りしたのも、県内には南海ではなく阪神や巨人ファンが多かったのが一つの要因ではないでしょうか。

 極端で偏った考えかも知れませんが、私が米屋の息子として商店街活動をし、和歌山で35年間音楽活動を続ける中で、はがゆく感じてきた和歌山の弱点です。県民の絆を深め、若者が育つ故郷をつくるため、「ジェラシー禁止法案」を提案します。

必ず誰かと〝一日一笑〟

   落語家 桂枝曾丸

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 元旦といえば、昔は街全体が静寂に包まれて穏やかでしたね。朝、仰々しく家族がそろった中で父親が新年のあいさつをしてからお年玉をもらう。午後からは、親戚と合流し公園へ繰り出して凧を手に走り回る…。路地は、人々の笑い声や子どもたちの歓声があふれていましたわな~。かつては、当たり前だったこの様な光景、今では大変珍しいものになりました。

 核家族化、少子化に生活様式の変化など、様々な社会変化と共に消えていったといえばそれまでなのですが、何とも寂しい現代ですわ。それは、正月だけに限った事ではなく日々感じている事です。

 日常ぶらぶらしていても、ほとんど街ゆく人の笑顔を見る事がない日もあります。一人でニタニタ笑っているのは不気味ですが、知った者同士の数人が、無表情でずっと歩いているというのは、他人の私からしても息が詰まる気分になった日もありました。

 そこで、提言するのが「一日一笑法案」。笑いは、人の心を豊かにし、他者とのコミュニケーション能力を高め、何より心身共に健全になり、社会活動が円滑になります。

 今から10年ほど前、他府県にお住まいの和歌山出身のおじいちゃまが、病気で不自由な身体になり、ほとんど寝たきりでした。私にお便りをくれたのが、毎日通うヘルパーさんでした。思い通りに身体が動かないゆえ、自暴自棄になっているので何とか元気付けようと考えた末、たどり着いたのが私の和歌山弁落語のCDでした。

 表情が硬く、あまり話してくれなかった方が、徐々に故郷の言葉に微笑み出して、日ごとに会話も活発になり、信頼関係も出来てリハビリに励むようになったと嬉しい内容でした。正に、笑いは血液のように人と人とを繋ぐかけがえのないものだと思います。

 目が覚めて、寝るまで必ず一回は誰かと笑い合う! シャイな和歌山人だからこそ必要な法案ではないでしょうか。どうしても笑う機会がない場合、和歌山のおばちゃんの落語会に来て下さいね。

これらの法案にご意見を

 毎週土曜号連載のこのコーナー。今回は和歌山で活躍するお2人に提案いただきました。「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も明記)。次号以降掲載し、抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。

【応募先】ニュース和歌山編集部「よくする法案」係
 郵送=〒640・8570(住所不要)
 FAX=073・431・0498 メール=nwtoko@nwn.co.jp

(ニュース和歌山2015年1月3日号掲載)