怖さ:4
山の妖怪
出没地域:和歌山県全域

 山に棲み、顔は人に似て唇が長く、全身が毛で覆われている。獰猛(どうもう)だが、人を見れば必ず笑い出すので、その笑い声から「ヒヒ」の名があると言われる。無類の女好きで、かつて和歌山ではよく人間の女がさらわれることがあったそうだ。何とか退治したいが、走るのが速く、怪力で知能も高いため、なかなか捕まえられない。しかし、狒々が笑うと長い唇がめくれあがり、顔を覆ってしまう習性があるため、人々はわざと狒々を笑わせ、唇が顔を覆ったすきに、唇から額に錐を突き刺して捕らえたという。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年5月12日更新)