怖さ:2
町の妖怪
出没地域:和歌山市
1989年ごろ、小中学生の間で噂になった人面犬。人間の顔(主に親父顔)を持った犬で、人語を解し、こちらが声をかけようものなら、「ほっといてくれ」などと捨て台詞を残すという。90年、私の知人がまだ中学生のころ、和歌山市内で目撃した。塾の帰り、お腹がすいたのでパンを食べようと某公園のベンチに腰をかけたところ、植え込みから一頭の犬が出てきた。パンが欲しいのかと思い、少しちぎって犬の方に投げた。犬はパンを無視して、こちらに近づいてくる。不思議に思ったその時、外灯の灯りにその姿が浮かび上がった。柴犬くらいの中型で、顔は60代くらいのおじさんだった。当時の校長先生に似ていたため、いまだ忘れられないらしい。
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妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。
(ニュース和歌山/2018年5月19日更新)