お父さん 防災に熱心な広川町が日本遺産に選ばれたね。
まなぶ 広川町って、去年、学校で見学に行った「稲むらの火の館」があるところだよね?
お父さん そうだよ。江戸時代、大きな地震が起こった時、濱口梧陵がわらに火を付け、津波から逃げる方向を教え、村人を守ったのは知ってるよね? あの時に避難した広八幡神社や法蔵寺、津波の後に造られた広村堤防などがまとめて選ばれたんだよ。その中には、今も毎年11月に開かれていて、災害で亡くなった人の冥福を祈ったり、広村堤防に土を盛ったりする「津浪祭」も含まれているよ。
まなぶ ところで〝日本遺産〟って何なの?
お父さん 国宝とか重要文化財とか、一つの文化財じゃなく、地域の中にいくつもある文化財を組み合わせて、その地域の歴史や文化の魅力をストーリーにする。それを、文化庁という役所が選び、たくさんの人に知ってもらえるよう発信する取り組みだ。広川町のストーリーのタイトルは「百世の安堵〜津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産」だね。
まなぶ 「大きな地震が起きたら、海の近くからすぐ避難する」と、いつも注意しておく気持ちは、確かに大事な宝物だよね。
お父さん まなぶみたいに、万が一の際に気をつけようと考える子が増えたら、梧陵さんもきっとうれしいと思うよ。
写真=江戸時代、避難場所になった広八幡神社(写真提供・広川町)
(ニュース和歌山/2018年6月13日更新)