和歌山市 補助制度拡充

 大阪府北部を震源として6月に発生した大地震で、ブロック塀が倒壊し犠牲者が出たのを受け、和歌山市は7月5日、住宅や商店のブロック塀の撤去費などへの補助上限額を10万円から40万円に増やした。市住宅政策課は「同じ悲劇を起こさず、いざという時に緊急車両が通れるよう、制度を活用してほしい」と呼びかける。

 対象はコンクリートブロック、レンガ、石などの道に面した塀。3段積み、高さ60㌢以上。塀の撤去、もしくは撤去及びフェンスや板塀など軽量塀の新設にかかる費用に対し、経費の10分の9、最大40万円を補助する。

 市は2年前の熊本地震を受け同制度を創設。上限10万円で、昨年度の申請は32件だった。大阪北部の地震を受け、今年度は7月9日時点で62件と既に2倍に達している。

 岩出市は2009年から通学路沿いのブロック塀の改善にかかる費用の一部を補助。紀の川市と海南市に補助制度はないが、市報などを通じ点検方法を市民に周知する考えだ。

 和歌山市住宅政策課(073・435・1099)、岩出市教育総務課(0736・62・2141)。

 また、和歌山県教委は市町村教委を通じ、県内全ての市町村立の幼稚園と小中高校421園・校のブロック塀を調査。控え壁がない、鉄筋の有無が不明、老朽化など延べ981点問題が見つかった。また、県立高校や特別支援学校43校では延べ421点、保育所227園では延べ124点あった。和歌山市は危険性がある23園・校について2億3000万円をかけて改修。海南、岩出、紀の川市も順次対応する方針を固めている。

写真=東山東小では既にブロック塀を撤去した